親子をめぐる問題
親子をめぐる問題
離婚の際には、子の親権や養育費の支払いについて当事者間で取り決めますが(裁判の場合は裁判所が決定します)、それだけで子をめぐる問題は解決しないことが多いです。
子との面談交渉
例えば、親権者・監護者ではない親が、子に会おうとする場合に、親権者・監護者が子に悪影響を与えるからといって親と子の面接を拒否するような場合が多々あります。これは特に子が小さい場合によく生じるトラブルですが、別れて住む親にとっては長い期間会えないことにより子が親を忘れてしまうことをおそれ、また子を監護する親にとっては子が別れた親と会うことによる精神的動揺を危惧するため、それぞれの親にとって深刻な問題となります。子のようなケースの解決は、基本的には当事者間の話し合いによるしかないのですが、当事者間の話し合いで解決できない場合には、家庭裁判所に対して、子の監護処分(面接交渉)に関する調停を申立て、中立的な調停委員および家裁調査官の関与のもと解決していくことになります。
離婚後300日問題
また、近時問題となっているのが、女性が離婚後300日以内に前夫とは異なる男性との間の子を出産した場合のトラブルです。この様な場合、民法772条により、子は前夫の子であると推定されることから、本当の父親(生物学上の父親)である男性との間の子であるとして出生届を出しても、役所は受理してくれません。このような場合には、母親は子を代理して、前夫を相手に対して、家庭裁判所に親子関係不存在確認調停を提起し、子と前夫との間の親子関係がないことを裁判所に認めてもらわなければなりません。この親子関係不存在確認調停においては、相手方となる前夫が家庭裁判所に出頭することや、血液型検査またはDNA検査に応じることなど、前夫の協力が不可欠ですが、現実には母親に対する感情のもつれから調停に協力的でない前夫も少なからず存在し、調停がなかなか進行しないというケースも散見されます。そこで、近時、最高裁はこの様なケースで、前夫ではなく実父を相手方にして認知の調停を申し立てた場合には、その手続の中で実父との親子関係を証明する方法があることを公表し、それにしたがった調停申し立てが増えてきております。
このように親子をめぐる問題には解決が難しい場合が多いですから、問題が生じた場合には、まず弁護士に相談されることをお勧めします。当事務所では、様々な親子関係をめぐる問題を取扱っております。